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予防矯正

幼児期の受け口(反対咬合)の画期的矯正法

☆反対咬合治療のムーシールド☆

ムーシールドは幼児期の反対咬 合(受け口)を治療するマウスピース型の矯正装置である。1983年に考案。その治療結果を、1985年、日本矯正歯科学会および、日本小児歯科学会で発 表され。2001年、米国矯正歯科学会にて発表、2004年末、米国から全世界に向けて開始された。

国内では、ムーシールドと呼ばれており、世界各国でも乳歯列期反対咬合の治療に使われている。

 

『子供たちに快適な装置』

乳歯列期反対咬合は、永久歯へ の交換期、自然に治癒する可能性がある。しかし、その可能性は想定以上に低く、下顎6前歯が逆被蓋の場合、自然治癒を期待することは、まずできないとされ ている。また、家系に反対咬合の人がいるような遺伝的要因のある場合、自然治癒への期待値は更に低くなる。

多くの場合乳歯列期反対咬合に 対し、「永久歯が生えるまで、様子を見る」という対応が一般的であった。しかし、「用事が簡便に使える矯正装置が存在すれば、乳歯列期反対咬合の治療が可 能なのではないか」という視点から、子どもたちが簡便に使える装置を開発する必要性を強く感じた。それはまた、「子供たちに快適な装置」でなくてはならな い。

1983年以来、開発から20数年に渡り、多くの幼児がムーシールドを使用していることから、子供たちに快適な装置であるといえるだろう。

『口腔周囲の筋機能を鍛える訓練装置』

正しい噛み合わせを持つ正常咬 合者の場合、嚥下するつど、舌は挙上され、上顎に触れ、上手く収まる。舌が安定して収まるところに上顎の歯並びが形成される。しかし、反対咬合者の場合、 舌は挙上されない。低い位置、下顎歯列内に収まったままで機能するところから、「低位舌」とよばれる。「低位舌」は、上顎の成長、歯並びに問題を与えるば かりか、下顎を必要以上に大きくしたり、厄介な問題を引き起こすことになる。したがって、治療目標は、低位で機能する舌という一塊の筋肉が持ち上がるよう にし、正常咬合者と同様の動きをするように訓練しなくてはならない。

ムーシールドの作用の1つは 「低位舌」を嚥下のつど挙上するように、機能訓練させるところにある。ムーシールドはまた、ルーズであるおとがいの筋肉に過緊張を加え、おとがいに「ウメ ボシ=力こぶ」をつくる。おとがいの「力こぶ」は、下顎骨の成長を抑制する力として働く。上顎前突(出っ歯)の人の下顎を見た場合、相対的に下顎は小さ く、常に「力こぶ」を見て取る事ができるであろう。その「力こぶ」を反対咬合の人のおとがいにつくろうというのが、ムーシールドの第2の作用である。「力 こぶ」による下顎の成長抑制効果を自らの筋肉で行わせる。

そもそも、不正咬合は、なんら 外部からの力で、生じられた結果ではない。すべて、自らの筋力、機能のアンバランスによって生じた結果である。したがって、口腔周囲の筋機能のアンバラン スを整えてやれば、正常な咬合に戻る。強い筋力を抑え、弱い筋力を鍛える。そのようにして、口腔周囲の筋力のバランスを整える。筋訓練装置と言われる所以 である。反対咬合の場合、嚥下するごとに「舌を挙上」し、おとがいに「力こぶ」をつくり、みずから自動的に筋訓練を行っている。

 

『ムーシールドは就寝中に使用』

ムーシールドは、装着時、舌を 装置の中に入れることを指示する。そして、正しく装着され嚥下するとおとがいに「過緊張=力こぶ」が起こることを、保護者にも指で触れて確認して頂く。本 人が「力こぶ」を認識できる年齢であれば本人にもふれさせ、力強い「力こぶ」をつくることを教える。

装置は、就寝中使用する。なれ るため、当初、昼間の使用を勧めている。ムーシールドはマウスピース型の矯正装置である。就寝時、くわえたまま寝る。しかし、治療開始当初は、昼間テレビ を見ているときなどに、装置を口腔にいれ、練習する。テレビに集中し、熱中している間、無意識のうちに舌を上げ、唾液を嚥下することを覚えてもらう。何か に熱中している時が、最適な練習時間帯である。装置を口に入れた当初は、ダラダラと、唾液をこぼす事がある。装置に対する習熟度が高まり、上手く使えるよ うになるにしたがって、唾液は上手に嚥下できるようになる。そのようになれば、就寝中、問題なく使っていただける。一般に、口を開いて寝ている事が多い が、就寝中といえども、唾液を嚥下する時には、必ず口唇を閉じるので、治療効果に問題はない。

装置を使い始めたその日から、上手く使える方もいる。しかし、多くの場合、慣れるまでに1~2週間掛かる。子供たちによっては、使い始めて1ヶ月経っても、朝起きると、枕元にムーシールドがはずれ、転がっているという子もいる。昼間の練習が功を奏する。

矯正治療は、永久歯が並び、問題が確定してから治せば短期間に治療が済むという考えがある。上顎前突(出っ歯)の治療においては、その考え方は正しいといえる。矯正治療は短期間で終わることが理想である。

 

『治療期間は約1年』

しかし、反対咬合の治療は、上 顎前突の治療と同じではない。反対咬合の治療は、まず、正しい成長を阻害する因子を除去する事から始まる。それは、可能な限り早い方が良い。大きくなって しまった骨を縮めることはきわめて困難である。全ての反対咬合症例というわけではないが、時として、外科的に顎短縮手術を要求される。それらの手術を回避 する視点からも、乳歯列期からの治療が期待される。治療後、後戻り等の問題が発生しないかかくにんのため、観察が必要になる。最短を考えても成長がとまる までは、定期的に観察する必要がある。男子で17~18歳、女児では15~16歳に及ぶであろう。その意味では、確かに、反対咬合の治療期間は、乳歯列期 から数えれば永いものになる。ときとして、再治療が要求される事もある。とはいえ、乳歯列期の治療、早期初期治療、それ自体は1年程度の短期間に終わるこ とは覚えておいて欲しい事である。

『歯科医師による診断が必要』

おしゃぶりを買うようにムー シールドも変えるのではないかと誤解をいだくかたがいる。ムーシールドは、歯科医師の診査診断のもと、指示に従い、使用する医療器具である。また、治療 は、患者さん、保護者そして歯科医師の三者の協力によって始めて治療の成果が上がることも明記しておきたい。

これからは、乳歯列期であることが、治療か石敷きを遅らせたり逡巡する理由にはならなくなった。乳歯列期の反対咬合は「まず、逆被蓋を改善してから、経過観察していこう」という時代になる事だろう。

また、ムーシールドによる治療法が、反対咬合の子供たちにとって、そして関係するすべての人々にとって、朗報である事を願っている。

『非抜歯による予防矯正治療』

当医院では顎関節の機能を重視した矯正治療法を積極的に行っています。この治療法では、今まで小臼歯を抜いて行っていた矯正治療から、小臼歯を抜かない方法へと可能にしました。顎が小さくなったからといって、自然に生えてきた歯を抜いてしまう治療法では、自分の歯が欠けた状態のまま一生を過ごさなくてはいけなくなります。

それと比べて小臼歯を抜かない治療法ではより自然な生体への治療と言えるかもしれません。つまり、この治療法では顎関節の機能に合わせて歯をそれぞれの元の位置に戻すことで、結果的に小臼歯という顎機能において重要な歯を抜くことなく、28本の歯並びや噛み合せをよくすることができるのです。


現在、歯科疾患の原因には歯列不正が起因して居るケースが非常に多く見られます。これらの事を考えていくと矯正治療も予防の重要な位置を占めているといえます。