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歯周病の予防

歯周病と体の健康

『歯周病とは』 

歯周病は、歯と歯茎の間に入り込んだ細菌が、歯を支える組織を壊していく病気です。

最近の研究では、歯周病菌の標的は歯茎だけでないことも分かってきました。

血管系の病気、糖尿病、早産や低出生体重児、肺炎との関係などが明らかにされつつあります。  たとえば、二十~三十歳代の喫煙者の男性に多く発症するパージャー病。手や足の末梢血管が詰まり、ひどくなると指先などが腐ってしまう血管系の難病で、国内には約一万人の患者さんがいるといわれています。  パージャー病の患者さんを調べてみると、いずれも中程度から重度の歯周病であり、手足の病巣から採取した血管組織から歯周病菌が見つかっています。歯周病との密接な関係が疑われているのです。歯周病菌は血液中に入り込み全身へと運ばれます。そして末梢血管を詰まらせ組織を壊死させるのです。

動脈硬化。ここにも歯周病菌が。既に脂肪やコレステロールが付着して詰まりかけた血管からも、歯周病菌が見つかっています。これが動脈硬化を悪化させ、狭心症や心筋梗塞などを引き起こすといわれています。

糖尿病と歯周病菌の関係も互いに病気を悪化させる要因になっていることが分かってきました。歯周病治療を行うと血糖値が改善したり、血糖値が上がると歯周病が悪化したりするのです。歯茎の炎症で生じるサイトカインという物質が関与していると考えられています。

妊産婦では、このサイトカインが、子宮収縮を促し早産や胎児の成長不足を招き、低出生体重児の原因となったりする可能性があるといわれています。

日本人の死因の第四位を占める肺炎は、多くの高齢者の命を奪ってきました。誤嚥(誤って飲み込む)で歯周病菌を気管に吸い込むことで、発症するケースが多いことが分かっています。口腔ケアや歯周病の治療をすると、誤嚥性肺炎が明らかに減ることは容易に理解できるでしょう。

『現在の歯周病治療』 

日本人の中高年の約八割がかかっているとうい歯周病。このように、全身をむしばむ怖い病気でもあるのです。  歯周病の治療は、原因を取り除くことと破壊された歯を支える組織を取り戻すことの二つです。原因を取り除く治療は、進行度合いによって違ってきます。

初期は、まだ頑固なバイオフィルム(歯垢の一種)が形成されていないので、歯みがきだけでも治すことができます。

中等度になるとバイオフィルムや歯石が形成されて、歯を支える組織の破壊が始まり、歯と歯茎の間にある歯周ポケットの深いところでは細菌の作る毒素などで歯根表面が汚染されてきます。  この段階になると歯磨きだけでは治らず、歯科医院での治療が必要になってきます。歯の表面から歯石を取り除いたり、歯周ポケットの深い所の歯根表面の清掃が不可欠です。

重度の場合には、歯肉を切開して歯根を露出させ、徹底的な細菌と汚染物質の除去を行います。  しかし、原因を取り除くだけでは歯を支える骨はもとの健康なレベルまで戻る訳ではありません。

そこで最近、失われた骨組織を再生させる新しい方法(再生療法)がいくつも開発され、注目をあびています。歯の周りの失われた組織の上に特殊な膜を張って、歯を支える組織がゆっくりできあがるのを待つ方法は「組織誘導再生」の英語の頭文字をとってGTR法と呼ばれ、ある程度の効果が確認されています。  また、特殊なたんぱく質を使うと組織の再生が促されることが分かり、応用が始まっています。

『歯周病は予防可能か』

それでは歯周病の予防はできるのでしょうか。歯周病は、生活習慣病の一つで、日常の生活習慣の改善がとても大切です。  例えば禁煙。ニコチンは、歯肉の血管を収縮させ、炎症を進行させたり回復を妨げたりします。喫煙は歯周病の最大のマイナス要因です。

よく噛んで食べること。唾液には抗菌物質が多く含まれています。  睡眠を十分にとってストレスをためないこと。体の抵抗力を高めます。  このような生活習慣の改善なくしては、歯周病の治療は期待できません。そしてまた、自己管理と予防に勝る治療も決してないのです。

『これからの歯周病治療』 

これからの歯周病治療の第一次選択には、歯周内科後(原因菌を特定し選択的に原因菌に直接アタックし原因菌の除去を行う)に歯石を取り除いたり、歯周ポケットの深い所の歯根表面の清掃を行うことが主流になっていく事はあたり前になる事でしょう。